[b-free: 75] B-Free Manifesto

長谷川 徹 (NBF01763@niftyserve.or.jp)
Mon, 09 Jan 1995 08:20:00 +0900

 B−Freeプロジェクトのみなさん、こんにちは。B−Free宣言について
ですが、本日のミーティングで議論した結果、以下のように決定しました。

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             B-Free宣言(95.1.1)

0)はじめに

 この文書「B-Free宣言」は、私たちが「B-Freeプロジェクト」を始めるにあたっての
決意表明であり、またプロジェクトの目指すべき目標を公に宣言するものであります。

1)プロジェクトの目的

 B-Free(びーふりー)プロジェクトとは、BTRON仕様に準拠したOSを一か
らフルスクラッチで作成するプロジェクトです。

 私たちは、これから作成するBTRON仕様OSを『B-Free OS(びーふりー・おー
えす)』と名付け、仕様の設計とコーディングを行っています。B-Free OS
は、マイクロカーネルをベースとした完全なマルチタスクOSであり、32bit
以上のCPUを対象としたOSです。

 私たちは、以下の三つの事実に勇気づけられ、BTRONを作成する決意をし、
また、BTRON規模のOSであっても個人規模で作成可能である、という根拠に
しています。

・個人によるITRONの実装例がいくつも報告されている
・ITRONをカーネルとしたBTRONの実装例が報告されている
・フィンランドのLinus B.Torvaldsさんが個人規模で作ったLinuxが、
 現実に存在し稼働している

 私たちの作成するB-Free OSは、将来、ソースコードも含めてフリーに配
布される予定です。B-Free OSが全世界で使われ、TRONプロジェクトへの
理解者と協力者が増えることを願っています。

2)プロジェクトの目標

 B-Freeプロジェクトでは、以下の成果物の作成を目標としています。

 ・32bit CPUを対象とした BTRON仕様準拠OS
  (80386/PowerPC/etc...)
 ・同OSのソースコード
 ・同OS上のセルフ開発環境
 ・同OS上のアプリケーション
 ・各種ドキュメント

3)プロジェクトの性格

 ・成果物の公開
  プロジェクトの成果物は、最終的にフリーで公開される予定です。

 ・著作権
  ここで発生した著作権は、B-Freeプロジェクトと、各メンバーに属
  します。

 ・メンバーの資格
  B-Free OSの作成作業に協力して下さる方なら、どなたでもメンバー
  になれます。

4)プロジェクトの現状報告

 94. 8 プロジェクト発足
94.10 開発環境の決定
94.11 PC9801版のマイクロカーネルのα版完成
94.12 周辺核の仕様検討開始

5)当プロジェクトへの連絡先

  仕様の設計やコーディングをやりたい方、アプリケーションを作りたい方、
  また、それ以外になんらかの形で協力して下さる方は、以下のメイルアドレ
  スに連絡を下さい。
   開発用マシン(現在は、Linuxを開発環境としています)、ミーティング場所
  の提供なども助かります。

   B-Freeプロジェクトプロデューサ 長谷川 徹
   NIFTY-Serve NBF01763 (NBF01763@niftyserve.or.jp)

  また、B-Free OSのためのメイリングリストが設置されています。参加希望の
  方は、以下のメイルアドレスに連絡を下さい。

   B-Freeプロジェクトプロデューサ 長谷川 徹
   NIFTY-Serve NBF01763 (NBF01763@niftyserve.or.jp)

6)転載について

 この文書は、内容に変更を加えない限り、自由に転載してくださって結構です。

                   B-Freeプロジェクトリーダー 内藤 隆一
                    NIFTY-Serve GGC00661
                   (GGC00661@niftyserve.or.jp)

参考文献

TRONプロジェクト全般について
 TRONを創る 共立出版
 TRON概論  共立出版
ITRONについて
 μITRON3.0 標準ハンドブック パーソナルメディア社
BTRONについて
 BTRON1 プログラミング標準ハンドブック パーソナルメディア社
 TRONWARE Vol.28 BTRON(1B/V1)の体験フロッピー付 パーソナルメディア社

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以上です。特に異論がなければ、1週間後に各ネットへアップする予定です。

                             電脳丸三郎太こと
                             長谷川 徹