[b-free 725] Re: 実身名に TAD

Hidekazu SHIOZAWA / 塩澤秀和 (shiozawa@myo.inst.keio.ac.jp)
Fri, 03 Oct 1997 18:22:49 +0900

塩澤@慶応理工です。

From: h1suzuki@Bridgew.edu (Hideaki Suzuki)
Subject: [b-free 723] Re: 実身名に TAD
Date: Fri, 03 Oct 97 04:34:43 -0500

> | それに、図形では検索に使えない。○▽□の図形で示される「実身形」があ
> |った場合、検索で実身形を入力しようとしても、元の図形と寸分たがわぬ図形
> |を同じ順序で入力出来るか、と問われれば、ホトンド無理があります。

入力は無理なので、検索結果が「あいまい」になるんでしょう。
「似てれば出て来る」というように。一致度80%以上だと一致とか。

> どのくらいの実装の手間に成功率が戻ってくるのでしょう?>詳しい人

現在の技術レベルでは、実用性はほとんどないと思います。
ただ、将来的には、有効な分野もあると思っています。

> | 見た目に良く似た図形は描けても、コンピュータがそれを検索対象となる実
> |身形と、「視覚的に等しい・似ている・違っている」と判定するのは、相当難
> |しいのでは無いでしょうか。

そこらへんは、適当に基準を決めてしまうのですが、
基準もさることながら、適当な基準を決めても、現在のところ、
こういう「図形配置一致問題」は、NP困難問題とかです。
コンセプトだけがあって、実用的には検索不可能です。

> | 音声の場合はもっと困難になるでしょう。

多分、音声のほうが簡単だと思います(明瞭発音の言語に限れば)。
簡単というのは、図形に比べれば曖昧度が少ないという意味です。
図形は2次元で重なりもありますが、音声は1次元ですから。
もっとも、一般の「音」とか音楽とか何人もが同時に喋っていたり
すれば、図形よりも難しくなるでしょう。
音楽の類似性判定問題は、まともな理論さえないらしいです。

> | つまるところ、労多くして実り少ない、と思います。

御意。
ただ、図形には「言語非依存」という重要な特徴がありまして、
法隆寺の写真があった場合に、それを文字で表してしまうと、
それを、日本語の「法隆寺」とか英語の「Horyu-ji Temple」とかと
言語に依存した表現にせざるを得ないわけですが、
図形だとそういうことがありません。
世界中どこでも、ネットスケープのアイコンは同じ。
Windowsのマークも同じわけです。

> そうそう、実身名に図形を使うことについてもう一つ。
> 色々な人が図形を基礎単位(言葉)として考えるようなことに言及していますが、そ
> れは、絵文字的な図形ですか?

これは、違うと思います。
思考のための図形というのは、アイコン、ピクトグラムの
ようなものよりも、グラフ、地図、チャートのようなものです。
こういったものは、配置に意味があるので、
同じアイコンのようなものがプロットされていても、位置が違えば、

> それとも、毎回使う度に違うようなホントの図形

なのです。

塩澤 秀和 shiozawa@myo.inst.keio.ac.jp