[b-free 587] 次代のBTRON

藤永清和 (NBA01614@niftyserve.or.jp)
Tue, 23 Sep 1997 02:00:00 +0900

 B−Freeは、次のBTRONを夢に描きつつ、とりあえずBTRON1の32
ビットへの拡張と仮想記憶の実装、マイクロカーネルを採用したOSを創るプロジェ
クトだと思います。
 PMCがBTRON3仕様のDOS/V版を来年の春には出してくるでしょう。そ
れは、CDもしくはDVDを読めるだろうし、TCP/IPをサポートするだろう。

 東大のデジタルミュージアムのCDがウェブブラウザで読める様につくってあるの
は、BTRONでそのCDが読めるようにすることを意味していると考えてよいでし
ょう。

 坂村さんも越塚さんも、BTRON2を決して諦めていません。
 「BTRON2ウィンドウシステムの高応答実装」という(英語の)論文を長谷川
さんに紹介されて読みました。ほぼその内容が、日本語で発表されています。

 「BTRONは小さいほうへ行く」なんて話もありますが、本格的にはCPUの低
消費電力モードを活かす仕組み(用の無いときはITRONの様にアイドルタスクに
行ってCPUを停止するとか)が必要です(アプリケーションの構造も変わってくる
か)。

 BTRONの概念が発表されたとき、BTRONは当時の技術(ハードウェア)か
らすれば、小さいどころか、重いものだった。
 いま、本格的多国語を実装するのは、プログラマにとって、けっして軽くないよう
に思えます。

 10万字、アウトラインフォントの本格的(つまり言語切り替えを行う:日本語だ
けでも言語切り替えが発生する)多国語環境はとうてい、1Bに載せられるものでは
無いでしょう。
 3Bでは1バイト文字を考慮していたかも知れないが、準TADにはもともと1バ
イト文字は無い。文字コードは最低16ビットで、言語切り替えコードも16ビット
を単位にするのが妥当とおもわれます。
 TRONチップを使った3Bがエンディアン変換をして準TADを使っているのだ
から、標準TADが使われることは無いでしょう。
 TAD自体のバージョンアップの時期が来たとも言えます。

 実身名もすべての文字を扱うには、言語切り替えが必要になるから、実身名の長さ
制限は取り払われるでしょう。

 「実身名」と「仮身名」の話は前回のBTRONクラブで話題になりました。「U
NIXには仮身名しかない」と理解してよいのではないでしょうか?

 とりとめのないことを書き綴ってしまいました。
 3Bの上で少しプログラムを書こうと思います。書いてみればBTRON3の問題
点が見えてくるし、使いこんでみたいし・・・。