--- そのときはわからなかったが、これはそれまで私が手掛けた中で もっとも大胆なオペレーティングシステムのプロジェクトになる のだった。Helen Custer 「INSIDE WINDOWS NT」
B-Free は、フリーな BTRON を作成することを目的としたプロジェ クトです。
すなわち、B-Free プロジェクトは、他のOSを使わずスタンドアローン で動作する BTRON。BTRON-OSの上で動作するマネージャ群。 そして基本的なアプリケーシュンなどから構成される完全なBTRON環境を 提供します。
現在のところ、BTRON 仕様の OS は商業的な目的に作成されたものだけ でした。BTRON-OS に興味を持っている人は、BTRON 仕様 OS を購 入して使うしか方法はありませんでした。もちろん、この場合興味があっても ソースなどは見ることができません。 しかし、B-Free プロジェクトは商業的な目的で作成するものではあり ません。 自由に使用することができ、興味があるならばソースを見ることはもちろん、 プログラムを変更することもできます。
このようなプログラムを自由にながめ、変更できるような環境を作成するこ とを目的としたプロジェクトとして GNU プロジェクトがあります。 基本的な目的は、B-Free プロジェクトと GNU プロジェクトは似てい ます。しかし、GNU プロジェクトが(ある程度改良は施されているとはいえ) UN*X のような (like UN*X) OSの作成を目標としているのに対し、B-Free では、BTRON に基づいた環境を作成することで異なっています。
1994 年現在、BTRON
は、次の 3 つの仕様が決められ(あるいは決められよう
とし)ています
\begin{lablist}
\labitem{BTRON1}
16ビット (正確には 80286 プロセッサ) を対象とした BTRON
。
構造は一枚岩的なもの(?)だが、比較的貧弱なハードウェアで実用的な
マルチタスク / マルチウィンドウ OS を実現している。
\labitem{BTRON2} TRON チップ仕様プロセッサあるいは同等の性能をもつ 32 ビット プロセッサを対象とした OS 。 マイクロカーネル構造を採用して おり、保守性および拡張性に優れている。
\labitem{BTRON3}
BTRON1 と BTRON2 の経験に基づき定義された BTRON
仕様の最新
バージョン。BTRON1 と同様にマイクロカーネル構造をもつ。1994
年前半に仕様が fix される予定。
\end{lablist}
これらの BTRON
仕様のうち、B-Free プロジェクトで作成する BTRON
は、
BTRON
ただし、BTRON
BTRON
1 仕様では定められていないため、
独自に決めることとします。
本ドキュメントの残りの章は、次のような構成になっています。
\begin{description}
\item
\item
\item
\item
\item
\item