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[bfree-prj 219] Re: Mozilla.org の顛末の日本語訳
- To: <bfree-prj@iijnet.or.jp>
- Subject: [bfree-prj 219] Re: Mozilla.org の顛末の日本語訳
- From: "S.Hanji" <shanji@tky2.3web.ne.jp>
- Date: Sun, 9 May 1999 06:55:14 +0900
- Reply-To: bfree-prj@iijnet.or.jp
- Sender: owner-bfree-prj@iijnet.or.jp
いつも、ROMばかりしているDune.です。
最近Linuxがなぜ流行り出したのか。ということについてですけど、端的に言えば、
2.0になってSMPをサポートしたからです。それ以外の理由はないと思えます。SMPを
サポートした途端、大手ベンダーの目の色が変わったんですね。特にインテル。だっ
てそりゃそうでしょう。今まで1PCに1CPUが当たり前だったのに、もしかすると1PCに
2〜4CPUが当たり前、サーバーだったら16から32CPUとか、そんな時代が来たら、CPU
の売上(すなわちインテルの売上)はそれこそ幾何級数的に増えるわけですからね。
ORACLEもその意味ではそもそもマルチスレッドな内部構造を持たせて作られているか
らSMP大歓迎なわけです。
SMPなOSといえば、とりあえずNTとLinuxですけど、NTは巨大で、当のMS社自身
version upに四苦八苦しているわけで、新版の市場投入のサイクルについては誰もが
疑念を持たざるを得ない。それと、これまでのオブジェクト指向から分散オブジェク
トの流れに乗ってきたMS社の技術がある意味で難しくなりすぎたことと(アプリ1本
アンインストールしただけでOSが動かなくなるとかネ)、マルチスレッドやSMPとい
う観点からすると、(もしかすると)分散オブジェクトというようなパラダイム(例
えばCOMオブジェクト)は吹っ飛んで消えてしまうかもしれないという不安を持つ人
が出てきたのではないかという気もするんですね。
ことUNIXとその亜流のOSといえば、System7とかその昔から、ベンダーの数だけ異な
るUNIXがあったわけですし、異種混合を廃して本来仕様の束ねをすべきライセンサー
であったAT&Tは結局何もしなかった。それにそのライセンシーも教育用という名目が
あればただみたいな値段だったけれども、そこから外れるととても高価だった。つま
り学生である内はタダみたいなものだけれど、卒業してPCを自身の収入で買えるよう
になったとたん、Unixは入手し辛いOSになってしまっていたわけです。だから、
MinixにしてもMintにしてもFreeBSDにしてもLinuxにしても、本来的にはAT&Tの呪縛
を断ち切ることが共通のスタンスだったのだと思います。それにAT&Tが分社されてお
かしくなって以降、混沌は混乱になっていたし。
K&RがAT&Tで実証したC言語によるUnixのポータビリティをタネンバウムはMinixで実
証したわけですが(Minixのオリジナルは68KのAtariSTでそれをx86系のPCに移植して
見せた)、Linuxもその点ではDECアルファとかMIPSのRISC-CPU用に移植しているわけ
ですけど、結局マルチタスクOSとしての完成度という点でLinuxが一頭抜きん出てし
まった。ということなんでしょうね。バージョンアップを繰り返していたら今みたい
になっていた。というとことかな。だから、何年か前の京都でのトルバルドス氏の講
演ではJokeだったことが今や「冗談になってないよ〜」というように思えてくるのが
怖いというか凄いというか。
時代の先端でプログラミングしている。というような肩で風を切るような姿勢を好
むような人々にとって、NSのブラウザのbag取りなんて面白くない仕事だと思えるの
ではないでしょうか。SMPとかクラスタリングとか、そういう一種の並列処理志向と
いうのは、サブミクロンな半導体工場とは別の意味での高速マシン作りであるわけ
で、どうせ安全な車作るなら400Km/hは出したいね。みたいな。という感覚。商売な
ら敵とか味方とかいるんだろうけれど、商売でなければね、そういう敵味方って、関
係ないと思うわけ。
Dune. ちなみに、「伽藍とバザール」の訳はアスキーのNT誌の6月号に載ってい
ました。