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28.7. abc — 抽象基底クラス

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28.6. contextlibwith -構文コンテキストのためのユーティリティ。

バージョン 2.5 で追加.

このモジュールは with 文を必要とする一般的なタスクのためのユーティリティを提供します。 詳しい情報は、 コンテキストマネージャ型with文とコンテキストマネージャ を参照してください。

用意されている関数:

contextlib.contextmanager(func)

この関数はデコレータ(decorator)であり、 with 文コンテキストマネージャのためのファクトリ関数の定義に利用できます。 ファクトリ関数を定義するために、クラスあるいは別の __enter__()__exit__() メソッドを作る必要はありません。

簡単な例(実際にHTMLを生成する方法としてはお勧めできません!):

from contextlib import contextmanager

@contextmanager
def tag(name):
    print "<%s>" % name
    yield
    print "</%s>" % name

>>> with tag("h1"):
...    print "foo"
...
<h1>
foo
</h1>

デコレートされた関数は呼び出されたときにジェネレータ(generator)-イテレータを返します。このイテレータは値をちょうど一つyieldしなければなりません。 with 文の as 節が存在するなら、その値がas節のターゲットへ束縛されることになります。

ジェネレータがyieldするところで、 with 文のネストされたブロックが実行されます。 ジェネレータはブロックから出た後に再開されます。ブロック内で処理されない例外が発生した場合は、 yieldが起きた場所でジェネレータ内部へ再送出されます。 このように、(もしあれば)エラーを捕捉したり、後片付け処理を確実に実行したりするために、 try...except...finally 文を使うことができます。 単に例外のログをとるためだけに、もしくは(完全に例外を抑えてしまうのではなく) あるアクションを実行するだけに例外を捕まえるなら、ジェネレータはその例外を再送出しなければなりません。 そうしないと、ジェネレータコンテキストマネージャは例外が処理された with 文を指しており、 その with 文のすぐ後につづく文から実行を再開します。

contextlib.nested(mgr1[, mgr2[, ...]])

複数のコンテキストマネージャを一つのネストされたコンテキストマネージャへ結合します。

このようなコードは:

from contextlib import nested

with nested(A(), B(), C()) as (X, Y, Z):
    do_something()

これと同等です:

m1, m2, m3 = A(), B(), C()
with m1 as X:
    with m2 as Y:
        with m3 as Z:
            do_something()

ネストされたコンテキストマネージャの一つの __exit__() メソッドに止めるべき例外がある場合は、残りの外側のコンテキストマネージャすべてに 例外情報が渡されないということに注意してください。同じように、ネストされたマネージャの一つの __exit__() メソッドが 例外を送出したならば、どんな以前の例外状態も失われ、新しい例外が残りすべての外側にあるコンテキストマネージャの __exit__() メソッドに渡されます。一般的に __exit__() メソッドが例外を送出することは避けるべきであり、 特に渡された例外を再送出すべきではありません。

contextlib.closing(thing)

ブロックの完了時に thing を閉じるコンテキストマネージャを返します。これは基本的に以下と等価です:

from contextlib import contextmanager

@contextmanager
def closing(thing):
    try:
        yield thing
    finally:
        thing.close()

そして、明確に page を閉じる必要なしに、このように書くことができます:

from contextlib import closing
import urllib

with closing(urllib.urlopen('http://www.python.org')) as page:
    for line in page:
        print line

たとえエラーが発生したとしても、 with ブロックを出るときに page.close() が呼ばれます。

参考

PEP 0343 - The “with” statement
仕様、背景、および、Python with 文の例。