セルオブジェクト (cell object)
“セル (cell)” オブジェクトは、複数のスコープから参照される変数群を実装するために使われます。セルは各変数について作成され、各々の値を記憶します;
この値を参照する各スタックフレームにおけるローカル変数には、そのスタックフレームの外側で同じ値を参照している
セルに対する参照が入ります。セルで表現された値にアクセスすると、セルオブジェクト自体の代わりにセル内の値が使われます。このセルオブジェクトを使った間接参照
(dereference) は、インタプリタによって生成されたバイトコード内でサポートされている必要があります;
セルオブジェクトにアクセスした際に、自動的に間接参照は起こりません。上記以外の状況では、セルオブジェクトは役に立たないはずです。
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PyCellObject
セルオブジェクトに使われる C 構造体です。
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PyTypeObject PyCell_Type
セルオブジェクトに対応する型オブジェクトです。
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int PyCell_Check(ob)
ob がセルオブジェクトの場合に真を返します; ob は NULL であってはなりません。
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PyObject* PyCell_New(PyObject *ob)
- Return value: New reference.
値 ob の入った新たなセルオブジェクトを生成して返します。引数を NULL にしてもかまいません。
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PyObject* PyCell_Get(PyObject *cell)
- Return value: New reference.
cell の内容を返します。
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PyObject* PyCell_GET(PyObject *cell)
- Return value: Borrowed reference.
cell の内容を返しますが、 cell が非 NULL でかつセルオブジェクトであるかどうかチェックしません。
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int PyCell_Set(PyObject *cell, PyObject *value)
セルオブジェクト cell の内容を value に設定します。この関数は現在のセルの全ての内容に対する参照を解放します。 value は
NULL でもかまいません。 cell は非 NULL でなければなりません; もし cell がセルオブジェクトでない場合、 -1
を返します。成功すると 0 を返します。
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void PyCell_SET(PyObject *cell, PyObject *value)
セルオブジェクト cell の値を value に設定します。参照カウントに対する変更はなく、安全のためのチェックは何も行いません; cell
は非 NULL でなければならず、かつセルオブジェクトでなければなりません。