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Python 標準ライブラリ

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2. 組み込み関数

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1. はじめに

この “Python ライブラリ” には様々な内容が収録されています。

このライブラリには、数値型やリスト型のような、通常は言語の “核” をなす 部分とみなされるデータ型が含まれています。 Python 言語のコア部分では、 これらの型に対してリテラル表現形式を与え、意味づけ上のいくつかの制約を 与えていますが、完全にその意味づけを定義しているわけではありません。 (一方で、言語のコア部分では演算子のスペルや優先順位のような構文法的な 属性を定義しています。) このライブラリにはまた、組み込み関数と例外が納 められています — 組み込み関数および例外は、全ての Python で書かれた コード上で、 import 文を使わずに使うことができるオブジェク トです。これらの組み込み要素のうちいくつかは言語のコア部分で定義されて いますが、大半は言語コアの意味づけ上不可欠なものではないのでここでしか 記述されていません。

とはいえ、このライブラリの大部分に収録されているのはモジュールのコレク ションです。このコレクションを細分化する方法はいろいろあります。あるモ ジュールは C 言語で書かれ、 Python インタプリタに組み込まれています; 一方別のモジュールは Python で書かれ、ソースコードの形式で取り込まれま す。またあるモジュールは、例えば実行スタックの追跡結果を出力するといっ た、 Python に非常に特化したインタフェースを提供し、一方他のモジュール では、特定のハードウェアにアクセスするといった、特定のオペレーティング システムに特化したインタフェースを提供し、さらに別のモジュールでは WWW (ワールドワイドウェブ) のような特定のアプリケーション分野に特化したイ ンタフェースを提供しています。モジュールによっては全てのバージョン、全 ての移植版の Python で利用することができたり、背後にあるシステムがサポー トしている場合にのみ使えたり、 Python をコンパイルしてインストールする 際に特定の設定オプションを選んだときにのみ利用できたりします。

このマニュアルの構成は “内部から外部へ:” つまり、最初に組み込みのデー タ型を記述し、組み込みの関数および例外、そして最後に各モジュールといっ た形になっています。モジュールは関係のあるものでグループ化して一つの章 にしています。 章の順番付けや各章内のモジュールの順番付けは、大まかに重要性の高いもの から低いものになっています。

つまり、このマニュアルを最初から読み始め、読み飽き始めたところで次の章 に進めば、 Python ライブラリで利用できるモジュールやサポートしているア プリケーション領域の概要をそこそこ理解できるということです。もちろん、 このマニュアルを小説のように読む必要は ありません — (マニュアルの 先頭部分にある) 目次にざっと目を通したり、 (最後尾にある) 索引でお目当 ての関数やモジュール、用語を探すことだってできます。もしランダムな項目 について勉強してみたいのなら、ランダムにページを選び (random 参 照)、そこから 1, 2 節読むこともできます。このマニュアルの各節をどんな 順番で読むかに関わらず、第 組み込みオブジェクト 章から始めるとよいでしょう。 マニュアルの他の部分は、この節の内容について知っているものとして書かれ ているからです。

それでは、ショーの始まりです!