バージョン 2.5 で追加.
runpy モジュールは Python のモジュールをインポートせずにその位置を特定したり実行したりするのに使われます。その主な目的はファイルシステムではなく Python のモジュール名前空間を使って位置を特定したスクリプトの実行を可能にする -m コマンドラインスイッチを実装することです。
スクリプトとして実行されると、このモジュールは効率よく以下の操作をします。
del sys.argv[0] # Remove the runpy module from the arguments
run_module(sys.argv[0], run_name="__main__", alter_sys=True)
runpy モジュールでは一つの関数だけ提供します。
指定されたモジュールのコードを実行し、実行後のモジュールグローバル辞書を返します。モジュールのコードはまず標準インポート機構(詳細は PEP 302 を参照) を使ってモジュールの位置を特定され、まっさらなモジュール名前空間で実行されます。
オプションの辞書型引数 init_globals はコードを実行する前にグローバル辞書に前もって必要な設定しておくのに使われます。与えられた辞書は変更されません。その辞書の中に以下に挙げる特別なグローバル変数が定義されていたとしても、 それらの定義は run_module 関数によってオーバーライドされます。
特別なグローバル変数 __name__ 、 __file__ 、 __loader__ 、 __builtins__ はモジュールコードが実行される前にグローバル辞書にセットされます。
__name__ は、もしオプション引数 run_name が与えられていればその値が、そうでなければ mod_name 引数の値がセットされます。
__loader__ はモジュールのコードを取得するのに使われる PEP 302 のモジュールローダがセットされます(このローダは標準のインポート機構に対するラッパーかもしれません)。
__file__ はモジュールローダにより与えられた名前がセットされます。もしローダがファイル名情報を取得可能にしなければ、この変数の値は None になります。
__builtins__ は自動的に __builtin__ モジュールのトップレベル名前空間への参照で初期化されます。
引数 alter_sys が与えられて True に評価されるならば、 sys.argv[0] は __file__ の値で更新され sys.modules[__name__] は実行されるモジュールの一時的モジュールオブジェクトで更新されます。 sys.argv[0] と sys.modules[__name__] はどちらも関数が処理を戻す前にもとの値に復旧します。
この sys に対する操作はスレッドセーフではないということに注意してください。 他のスレッドは部分的に初期化されたモジュールを見たり、入れ替えられた引数リストを見たりするかもしれません。この関数をスレッド化されたコードから起動するときは sys モジュールには手を触れないことが推奨されます。
参考